制度の解説
デジタル化・AI導入補助金2026 (旧 IT導入補助金)をわかりやすく
会計・受発注・決済ソフトやクラウドサービス、レジ・PC の導入費用の一部を国が補助する制度です。2026 年度から「IT導入補助金」は「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。対象・補助額・補助率・スケジュール・申請の流れを、事務局の公募要領(7 次締切分からの改定版、2026 年 10 月 9 日公表)にもとづいてまとめています。
最終確認:2026/10/11・出典:中小企業庁、中小企業デジタル化・AI導入支援事業 事務局
補助金的名稱和概要來自 Jグランツ,以日文原文顯示。
申請の前に、必ず確認してください
- すぐに使い始めたい場合は向きません。締切から交付決定まで約 1 か月半かかり、交付決定の前に契約・発注・支払いをした経費は対象外です(スマートレジの事前着手制度を除く)。
- 費用はいったん全額を支払います。補助金は事業実績報告の後に振り込まれる後払い。クラウド利用料(最大 2 年分)も、事業の実施期間内に支払いを終えたものが対象です。
- 事務局に登録された IT ツール・IT導入支援事業者だけが対象です。使いたいツールが登録されているか、先に ITツール検索で確かめてください。
- gBizID プライムの発行に約 2 週間。締切から逆算して、早めに取得しておきましょう。
- 通常枠で 150万円以上を申請する場合などは、賃上げの計画が必要です。達成できないと返還を求められることがあります。
デジタル化・AI導入補助金とは
正式には「中小企業デジタル化・AI導入支援事業費補助金」。中小企業・小規模事業者が、業務の効率化や売上の向上のために IT ツール(ソフトウェア・クラウドサービスなど)を導入する費用の一部を補助します。中小企業庁・中小企業基盤整備機構の事業で、事務局が運営しています。
これまでの「IT導入補助金」は、2026 年度(令和 7 年度補正予算の事業)から「デジタル化・AI導入補助金」に名前が変わりました。IT ツールを入れるだけでなく、デジタル化や AI の活用をさらに進めることを伝えるためです(申請マイページなど、旧名称のまま残っているところもあります)。
大きな特徴は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」と「IT ツール」だけが対象になること。申請も IT導入支援事業者と共同で行います。導入したいツールが対象かどうかは、事務局のITツール検索で確認できます。
申請枠と補助額・補助率
| 申請枠 | 補助額 | 補助率 | 主な対象経費 |
|---|---|---|---|
| 通常枠 | 5万円〜150万円未満(1 プロセス以上) 150万円〜450万円以下(4 プロセス以上) | 1/2 以内 最低賃金近傍の従業員が一定以上いる場合は 2/3 以内 | ソフトウェア購入費・クラウド利用料(最大 2 年分)・オプション・導入関連費(設定・研修・保守など、役務は合計 200万円まで)。ハードウェアは対象外 |
| インボイス枠(インボイス対応類型) | ソフトウェア:会計・受発注・決済のうち 1 機能 〜50万円、2 機能以上 〜350万円 PC・タブレット・プリンター等 〜10万円、POS レジ・券売機 〜20万円 | ソフトウェア:50万円以下の部分 3/4(小規模事業者 4/5)、50万円を超える部分 2/3 ハードウェア:1/2 | インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフト(クラウド利用料は最大 2 年分)と、あわせて導入するハードウェア。ハードウェアだけの申請は不可 |
| インボイス枠(電子取引類型) | 〜350万円 | 中小企業・小規模事業者 2/3、その他(大企業を含む)1/2 | 発注者が導入し、受注者の中小企業に無償でアカウントを渡す受発注システムのクラウド利用料(最大 2 年分) |
| セキュリティ対策推進枠 | 5万円〜150万円 | 中小企業 1/2、小規模事業者 2/3 | IPA「サイバーセキュリティお助け隊サービスリスト」に載ったサービスの利用料(最大 2 年分) |
| 複数者連携デジタル化・AI導入枠 | 基盤導入経費+消費動向等分析経費で合計 3,000万円まで(ほかに事務費・専門家費) | 基盤導入経費はインボイス対応類型に準じる、分析経費 2/3 など | 商工団体など 10 者以上が連携して取り組むデジタル化・AI 導入 |
※ 通常枠の補助率 2/3 は、2025 年 10 月〜2026 年 9 月のうち 3 か月以上、地域別最低賃金以上〜2026 年度改定後の地域別最低賃金未満で雇っている従業員が全体の 30% 以上いる場合。 インボイス対応類型は、2022〜2025 年に「デジタル化基盤導入枠/インボイス枠」で交付決定を受けた事業者は申請できません。
補助額シミュレーター
導入費用を入れると、補助額と自己負担の目安を計算します(公募要領の補助率・上限による目安)。
- 導入費用(税抜)
- 500,000円
- 補助額の目安
- 370,000円
- 自己負担の目安
- 130,000円
- ソフトウェア(補助額 50万円まで 4/5・超える部分 2/3)400,000円 → 320,000円
- PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機(1/2、10万円まで)100,000円 → 50,000円
※ 公募要領(7 次締切分からの改定版)の補助率・上限で計算した目安です。消費税は対象外。補助金は後払いのため、導入費用はいったん全額を支払います。実際の補助額は申請内容と審査で決まり、採択を保証するものではありません。対象は事務局に登録された IT ツールだけです。
スマートレジは加点の対象、事前着手制度も
タブレットやスマートフォンで使う「スマートレジ」(モバイル POS レジ)は、インボイス枠の審査で特に重視される加点項目です(事務局に「スマートレジ」として登録されたものに限る)。
また、2027 年 4 月からの飲食料品の消費税率の引き下げに向けて、2026 年 9 月 15 日以降に導入したスマートレジや POS レジの改修を、あとから申請できる「事前着手制度」が設けられる予定です。対象期間は 2027 年 3 月まで、申請の受付は 2027 年 1〜3 月の予定(いずれも調整中)。対象はあらかじめ事務局に登録された製品で、契約・納品・支払いの書類をすべて保管しておく必要があります。詳細は今後公表される公募要領で確認してください。
対象となる事業者
中小企業・小規模事業者(個人事業主を含む)。中小企業は、資本金か常時使用する従業員数のどちらかが次の範囲に入る事業者です。
| 業種 | 資本金 | 従業員数 |
|---|---|---|
| 製造業・建設業・運輸業ほか | 3 億円以下 | 300 人以下 |
| 卸売業 | 1 億円以下 | 100 人以下 |
| サービス業(ソフトウェア業・情報処理サービス業・旅館業を除く) | 5,000 万円以下 | 100 人以下 |
| 小売業 | 5,000 万円以下 | 50 人以下 |
| ソフトウェア業・情報処理サービス業 | 3 億円以下 | 300 人以下 |
| 旅館業 | 5,000 万円以下 | 200 人以下 |
※ 小規模事業者は、商業・サービス業が従業員 5 人以下、宿泊業・娯楽業・製造業その他が 20 人以下。医療法人・NPO 法人などにも個別の定めがあります。 大企業の実質的な支配下にある事業者、直近 3 年の課税所得の平均が 15 億円を超える事業者、風俗営業などは対象外です。
申請の要件
- gBizID プライムのアカウント(すべての枠。発行まで約 2 週間)
- SECURITY ACTION「★一つ星」または「★★二つ星」の宣言(すべての枠。ID の発行まで 2〜3 日)
- 労働生産性の向上の計画(通常枠):1 年後に 3% 以上、3 年間の年平均 3% 以上の向上を目指す計画
- 賃上げの要件(通常枠で補助額が 150万円以上の場合など):給与支給総額の年平均 +3% 以上、事業場内最低賃金を地域別最低賃金 +30 円以上にするなどの計画を従業員に表明。2022〜2025 年に交付を受けた事業者は要件が重くなります
※ 賃上げの要件を達成できなかった場合、補助金の一部または全部の返還を求められることがあります。条件は申請枠・補助額・過去の交付の有無で変わるため、公募要領で確認してください。
申請から補助金の受け取りまで
- 制度と公募要領を理解する
- gBizID プライムを取得し、SECURITY ACTION(★一つ星 または ★★二つ星)を宣言する
- IT導入支援事業者と、登録された IT ツールを選ぶ(この段階では契約しない)
- IT導入支援事業者から招待を受け、申請マイページを開く
- IT導入支援事業者と共同で申請書を作り、申請者が宣誓して提出する
- 交付決定(ここまで契約・発注・支払いをしない)
- 契約・導入・支払いをする(支払いの前に請求書を受け取る)
- 事業実績報告をする
- 補助額が確定し、補助金が振り込まれる
- 効果報告をする(通常枠は導入後と 1〜3 年度目)
2026 年のスケジュール
通常枠・インボイス枠(両類型)・セキュリティ対策推進枠の締切です(各回 17:00)。事務局は確定した回だけを公表しています。
| 回 | 申請締切 | 交付決定日 | 事業実施・実績報告の期限 |
|---|---|---|---|
| 1次 | 2026/05/12 17:00(終了) | 2026/6/18 | 2026/12/25(予定) |
| 2次 | 2026/06/15 17:00(終了) | 2026/7/23 | 2027/1/29(予定) |
| 3次 | 2026/07/21 17:00(終了) | 2026/9/2 | 2027/2/26(予定) |
| 4次 | 2026/08/25 17:00(終了) | 2026/10/7 | 2027/3/31(予定) |
| 5次 | 2026/09/29 17:00(終了) | 2026/11/9(予定) | 2027/4/30(予定) |
| 6次 | 2026/10/30 17:00 | 2026/12/10(予定) | 2027/5/31(予定) |
| 7次 | 2026/12/01 17:00 | 2027/1/19(予定) | 2027/7/30(予定) |
※ 複数者連携デジタル化・AI導入枠は 1 次 6/15・2 次 8/25・3 次 10/30。8 次以降は未公表です。
注意したいこと
- 「実質無料」「キャッシュバック」は不正です。自己負担分をポイント・値引き・紹介料などで戻す行為は禁止されており、交付決定の取り消し・返還・事業者名の公表などの対象になります(事務局は「不正であり、犯罪です」と明示しています)。
- 中古品・リース・交付決定前の購入・申請の代行費・消費税・ホームページの制作費・申請時に金額が決まらない従量課金などは対象外です。
- 申請マイページの ID・パスワードを IT導入支援事業者に渡してはいけません(なりすましの申請として扱われます)。
- 証憑(請求書・領収書など)は事業が終わった年度の終わりから 5 年間保存します。
よくある質問
個人事業主も申請できますか?
できます。本人確認書類・所得税の納税証明書・確定申告書の控え・青色申告決算書などが必要です。確定申告の実績が無い(開業して間もない)場合は申請できません。
中古の PC やレジは対象になりますか?
なりません。中古品・リース・レンタルは対象外です。インボイス枠のハードウェアも、ソフトウェアとあわせて同じ IT導入支援事業者から購入するものが対象です。
いま使っているソフトのライセンス追加やバージョンアップは?
購入済みのソフトウェアの台数・ライセンスの追加、バージョンアップ、アドオンは IT ツールとして登録できないため対象外です。クラウドの単純な契約更新の扱いは、事務局・IT導入支援事業者に確認してください。
パソコンやレジだけを申請できますか?
できません。ハードウェアは、インボイス枠でソフトウェアとあわせて導入する場合だけが対象です。通常枠ではハードウェアは対象外です。
申請した後に、導入するツールや内容を変えられますか?
交付決定を受けた申請内容に変更が生じた場合は、IT導入支援事業者と共有して事務局へ報告します。内容によっては交付決定の取り消しや補助金の返還になることがあるため、申請の前に構成をよく決めておきましょう。
何回でも申請できますか?
1 つの法人・個人事業主が同じ枠で交付を受けられるのは 1 回です。不採択・取り下げの後は再申請できます。通常枠・インボイス枠・セキュリティ対策推進枠は同時に申請できます(複数者連携枠とは重ねられません)。2025 年の通常枠で交付決定を受けた場合、その日から 12 か月は 2026 年の通常枠に申請できません。
採択率はどれくらいですか?必ず採択されますか?
事務局は交付決定の件数を公表していますが、採択率は公表していません。申請の内容(加点項目・賃上げの計画など)によって審査され、必ず採択されるものではありません。不採択の理由も公表されません。
申請を代行してもらえますか?
申請は IT導入支援事業者と共同で行い、申請マイページの ID・パスワードは申請者本人が管理します(支援事業者に渡すとなりすましとして扱われます)。報酬を得て他人の申請書類を作ることは行政書士の業務です。