不動産の追客メール・LINE 例文:頻度とタイミング、やめどきまで
反響に返信したものの、その後お客様から連絡がない。仲介会社では毎日のようにある場面です。追客をしなければ検討の候補から外れてしまう一方で、連絡しすぎれば「しつこい会社」と思われてしまいます。
この記事では、不動産仲介の追客について、頻度とタイミングの考え方を整理したうえで、返信が途絶えたお客様、条件に合う新着物件の案内、時期をあけた再連絡、申込を迷っている人への後押し、追客を終えるときの連絡まで、メールと LINE の例文をまとめました。追客をやめる判断の基準と、特定電子メール法・宅建業法のルールも解説します。
結論を先に書くと、追客で大切なのは回数ではなく「連絡する理由があること」です。新しい物件、別の候補日、迷いを解く情報など、お客様にとって意味のある内容を、間隔を空けながら届けます。そして、断られたら確実に止める。この 2 つを守れば、追客は嫌がられるものではなくなります。
追客は嫌がられるのか:お客様の受け止め方
不動産情報サイト事業者連絡協議会(RSC)の「不動産情報サイト利用者意識アンケート」(2025 年 10 月発表、物件を契約した人 144 人の回答)から、不動産会社の対応についての回答を抜き出すと、追客の受け止め方が見えてきます。
| 回答(複数回答) | 割合 |
|---|---|
| 満足:物件の提案や追加の連絡をしてくれた | 41.0% |
| 不満:契約の意思決定を急かされた | 15.3% |
| 不満:物件の提案や追加の連絡などがなかった | 11.8% |
| 不満:問合せ後の営業がしつこかった | 9.0% |
物件の提案や追加の連絡は、4 割の人が「満足した点」に挙げています。連絡がなかったことへの不満もあります。一方で、急かされた、しつこかったという不満も一定数あります。お客様が嫌うのは連絡そのものではなく、こちらの都合で急かされることだと読み取れます。
追客の頻度とタイミングの考え方
間隔は「最初は短く、だんだん長く」
検討の熱が高い反響の直後は間隔を短く、その後は少しずつ長くしていくのが基本です。次の表は、ひとつの目安です。
| 時期 | 連絡の目安 | 内容の例 |
|---|---|---|
| 反響の当日 | 初回返信 | 質問への回答、内見の候補日 |
| 2〜3 日後 | 1 回 | 別の候補日、条件の近い物件 |
| 1 週間後 | 1 回 | 新着物件、希望条件の確認 |
| 2 週間後 | 1 回 | 今後の連絡の希望を確認 |
| それ以降 | 新着が出たとき・月 1 回程度 | 同意を得た範囲で新着物件の案内 |
最初の 2 週間で 3〜5 回連絡して反応がなければ、頻度を落とすか区切りをつけます。毎回同じ内容の「いかがでしょうか」を繰り返すのではなく、1 通ごとに新しい情報をひとつ入れるのがポイントです。
賃貸と売買で間隔を変える
賃貸のお客様は入居の希望時期が決まっていることが多く、検討期間は短くなりがちです。最初の 2 週間に連絡を集中させ、希望時期を過ぎたら状況を確認して追客を終えます。売買は資金計画や家族の合意に時間がかかることが多いため、月単位の長めの間隔で、新着物件や周辺の情報を届ける追客が中心になります。
メールと LINE の使い分け
| 項目 | メール | LINE |
|---|---|---|
| 向いている内容 | 物件の詳細、資料の送付、条件の整理 | 短い確認、新着の一報、日程の調整 |
| 文面の長さ | 必要な情報をまとめて | 3〜4 行程度 |
| 気をつけること | 件名で内容が分かるようにする | 送りすぎるとブロックされやすい |
送る時間帯は、お客様の生活時間に合わせ、深夜や早朝は避けます。電話については、宅建業法施行規則 16 条の 12 が、勧誘の際に迷惑を覚えさせるような時間に電話・訪問することを禁じています。

場面別の追客メール・LINE 例文
文例の末尾の「(署名)」には、会社名・担当者名・住所・連絡先を入れてください。署名のひな形は不動産の反響メール返信文例に載せています。
1. 返信が途絶えたお客様へ(初回返信の 2〜3 日後)
前回と同じ質問を繰り返さず、別の候補日など新しい選択肢を添えます。「決まった場合もひとこと」と書いておくと、お客様が返信しやすくなります。
例文:返信が途絶えたお客様へ(メール)
件名:【会社名】「【物件名】」ご内見の日程について 【お名前】様 【会社名】の【担当者名】です。 先日は「【物件名】」へのお問い合わせ、ありがとうございました。 その後、ご検討の状況はいかがでしょうか。 こちらのお部屋は、本日時点でご内見いただけることを確認しております。 先日お送りした日時のほかに、次の日時でもご案内が可能です。 ・【日付】(【曜日】)【時刻】〜 ・【日付】(【曜日】)【時刻】〜 すでにお住まいが決まった場合や、条件が変わった場合も、 ひとことご返信いただけましたら幸いです。 (署名)
例文:返信が途絶えたお客様へ(LINE)
【会社名】の【担当者名】です。 「【物件名】」は今もご内見いただけます。 【日付】(【曜日】)か【日付】(【曜日】)はご都合いかがでしょうか。
2. 条件に合う新着物件の案内
新着物件の案内は、広告・宣伝のメールにあたると考えられます。特定電子メール法により、原則として事前の同意が必要です。ヒアリングのあとなどに、まず案内を送ってよいかを確認し、その返信を記録として残します。
例文:新着物件のお知らせを送ってよいか確認する
件名:【会社名】新着物件のお知らせについて 【お名前】様 【会社名】の【担当者名】です。 本日はお探しの条件をお聞かせいただき、ありがとうございました。 【エリア】・【ご予算】・【間取り】の条件に合うお部屋が新しく出ましたら、 このメールアドレスにお知らせしてもよろしいでしょうか。 ご希望の場合は、このメールに「希望します」とご返信ください。 お知らせが不要になりましたら、いつでもご連絡いただければ停止いたします。 (署名)
例文:条件に合う新着物件の案内(メール)
件名:【会社名】ご希望の条件に合う新着物件のご案内 【お名前】様 【会社名】の【担当者名】です。 以前お聞かせいただいた条件(【エリア】・【ご予算】・【間取り】)に合うお部屋が、 新しく募集を始めましたのでお知らせします。 【物件名】 ・【最寄り駅】徒歩【分数】分 ・賃料【賃料】円(管理費【管理費】円) ・【間取り】/【専有面積】㎡ ・【おすすめのポイント】 詳しい資料はこちらからご覧いただけます。 【URL】 ご内見をご希望の場合は、ご都合のよい日時をお知らせください。 ※このメールは、新着物件のお知らせをご希望いただいた方にお送りしています。 今後のお知らせが不要な場合は、このメールに「停止」とご返信ください。 (署名)
例文:条件に合う新着物件の案内(LINE)
【お名前】様、【会社名】の【担当者名】です。 ご希望の【エリア】で、条件に合うお部屋が新しく出ました。 【物件名】/賃料【賃料】円/【間取り】 詳しくはこちら:【URL】
3. 時期をあけた再連絡(1〜3 か月後)
しばらく連絡が途絶えていたお客様には、状況を尋ねる 1 通を送ります。すでに決まっている可能性を先に認めておくと、押しつけがましくなりません。
例文:時期をあけた再連絡(メール)
件名:【会社名】その後のお住まい探しのご状況について 【お名前】様 ご無沙汰しております。【会社名】の【担当者名】です。 【月】に「【物件名】」でお問い合わせいただいた際は、ありがとうございました。 その後、お住まい探しのご状況はいかがでしょうか。 すでにお住まいが決まっていましたら、どうぞこのメールは読み流してください。 まだお探し中でしたら、条件に変わりがないか、あらためてお聞かせいただけますでしょうか。 今の条件に合わせて、募集中の物件をお探しいたします。 (署名)
4. 申込を迷っている人への後押し
内見のあと申込を迷っているお客様には、迷っている理由を聞き、それに合った情報を届けます。決断を急かすのは逆効果です。
| 迷っている理由 | 届ける情報 |
|---|---|
| 初期費用・月々の支払い | 初期費用の内訳と、入居日による日割り賃料の違い |
| ほかの物件と比べている | 賃料・駅からの距離・広さ・設備の比較 |
| 家族の意見がまとまらない | 家族そろっての再内見の提案、写真・図面 |
| 審査が不安 | 審査に必要な書類と流れ(結果の約束はしない) |
「ほかにも検討中の方がいます」と伝えるのは、事実である場合に限り、事実の範囲で伝えます。宅建業法 47 条は、重要な事項について故意に事実を告げないことや、事実でないことを告げることを禁じています。
例文:申込を迷っているお客様へ(メール)
件名:【会社名】「【物件名】」ご検討のための資料をお送りします 【お名前】様 【会社名】の【担当者名】です。 先日は「【物件名】」をご内見いただき、ありがとうございました。 ご検討の参考に、ご質問のあった点をまとめました。 ・初期費用の内訳:添付の見積書をご覧ください(【入居日】にご入居の場合) ・【比較物件名】との違い:賃料は【差額】円高く、駅からは徒歩【分数】分近くなります ・お申し込みから鍵のお渡しまで:【日数】日ほどが目安です ご家族ともう一度ご覧になりたい場合は、再度のご内見も承ります。 ご不明な点があれば、どんなことでもお気軽にご質問ください。 (署名)
例文:申込を迷っているお客様へ(LINE)
【会社名】の【担当者名】です。先日はご内見ありがとうございました。 ご質問のあった初期費用の内訳をお送りします。【URL】 気になる点があれば、いつでもこちらでご質問ください。

5. 追客を終えるときの連絡(最後の 1 通)
決めた回数を送っても反応がないときは、区切りの 1 通を送ります。連絡を終えることを伝えると、それをきっかけに返信が来ることもあります。
例文:追客を終えるときの連絡(メール)
件名:【会社名】今後のご連絡について 【お名前】様 【会社名】の【担当者名】です。 これまで何度かご連絡を差し上げ、お忙しいところ失礼いたしました。 すでにお住まいが決まった場合や、ご連絡が不要な場合もあるかと存じますので、 こちらからのご連絡は、いったんこのメールで最後とさせていただきます。 またお住まいをお探しになる際は、いつでもこのメールにご返信ください。 【お名前】様のお住まい探しがうまく進むことを願っております。 (署名)
追客をやめる判断
追客をやめるべき場面と、区切りをつける場面を表にまとめました。
| 状況 | 対応 |
|---|---|
| 「もう連絡は不要」「他社で決めた」と言われた | その時点で止める。以後の勧誘はしない |
| 配信停止・受信拒否の申し出があった | すぐに止める。あらためて同意を得るまで広告・宣伝のメールは送らない |
| 決めた回数(例:3〜5 回)送っても反応がない | 最後の 1 通を送って区切る |
| 入居の希望時期を過ぎた(賃貸) | 状況を確かめる 1 通を送り、返信がなければ終える |
| 宛先不明でメールが戻ってきた | 送るのをやめ、ほかの連絡手段で確認する |
止めた理由と日付は顧客の記録に残し、社内で共有します。担当者が替わったときに、断られたお客様へ別の担当者が連絡してしまうのを防げます。
追客で守るべき法令
特定電子メール法:広告・宣伝のメールは原則オプトイン
特定電子メールの送信の適正化等に関する法律(平成 14 年法律第 26 号)は、広告・宣伝のために送るメールについて、主に次のことを定めています。
- 原則として、あらかじめ受信に同意した相手にだけ送れる(名刺などの書面でアドレスを知らせてきた相手や、取引関係にある相手などの例外があります)
- 同意を得たことを示す記録を保存する
- 送信者の氏名または名称、受信拒否の連絡先(メールアドレスまたは URL)とその旨、住所、苦情・問い合わせの連絡先を表示する
- 受信拒否の連絡を受けたら、それ以降は送らない
問い合わせへの回答と、新着物件の案内のような広告・宣伝のメールは性格が異なります。どこまでが広告・宣伝にあたるかは、総務省・消費者庁の「特定電子メールの送信等に関するガイドライン」で確かめ、迷う場合は弁護士に相談してください。
宅建業法:断られたら勧誘を続けない
宅建業法施行規則 16 条の 12 は、勧誘の際の次のような行為を禁じています。
- 勧誘に先立って、会社名・勧誘する人の氏名・勧誘の目的を告げずに勧誘すること
- 相手が契約を締結しない意思(勧誘を引き続き受けることを希望しない意思を含む)を示したのに、勧誘を続けること
- 迷惑を覚えさせるような時間に電話や訪問をすること
- 深夜や長時間の勧誘など、私生活や業務の平穏を害する方法で相手を困らせること
個人情報保護法:利用目的の範囲で使う
問い合わせで得た氏名や連絡先を追客や新着物件の案内に使うなら、その利用目的を特定し、取得の際に通知するか、プライバシーポリシーなどで公表しておきます。
Bookmi でできること
Bookmi のフォロー配信は、決めた順番と間隔で、お客様一人ひとりにメールと LINE を自動で送る機能です。
- ステップ:メールと LINE のステップを最大 10 個並べ、待機時間を日数と時間で決めます。LINE が使えないお客様には、代わりのメールで送れます
- メールの差出人:連絡先を追加した担当者の Gmail から送り、2 通目以降は 1 通目への返信として同じスレッドで届きます
- 自動で止まる:お客様からメールの返信が届いたとき(返信が Bookmi に取り込まれる設定のとき)、配信停止を受けたとき、メールが届かなかったときは自動で止まります。LINE で返事があったときは止まらないので、手動で終了します(返信・配信停止・不達で自動で止まる)
- 配信停止:メールの末尾に配信停止のリンクが自動で付きます。停止したお客様には以後送られず、解除できるのは、ご本人からあらためて同意を得たときだけです
- 送る時間:夜 20 時から翌朝 8 時までは送らず、翌朝 8 時台に送ります。「○日まで不在」の自動返信が届いたときは、戻る日の朝 9 時まで次の送信を延ばします
- シナリオ:「見込み客のフォロー」(当日のお礼から 2 週間で 4 回)などのひな形から作れ、ステップごとの返信率も確かめられます(うまく使うコツと送信時の注意)
- LINE の一斉配信:評価・流入経路・タグで絞って、新着物件のお知らせを一度に送れます。ブロック中のお客様は除かれ、本文の URL のクリックが記録されます(一斉配信)
- 返信がなければ通知:1 通ずつ送るメールに、返信がないまま 3・5・7 日たったら朝 9 時に知らせる設定を付けられます
フォロー配信に一度に追加できるのは 20 件まで、メールは送信元 1 人あたり 1 日 50 通までで、一斉送信には使えません。プランにより利用できる機能が異なります。詳しくは不動産会社向けのページと料金をご覧ください。
よくある質問
追客メールは、どのくらいの頻度で送ればよいですか?
決まった正解はありませんが、最初の 2 週間に 3〜5 回、間隔は 2〜3 日から始めて後半ほど長くするのがひとつの目安です。その後は、条件に合う新着物件が出たときや月 1 回程度に切り替えます。賃貸は短め、売買は長めの間隔で考えます。
返信がないお客様への追客は、いつやめればよいですか?
「連絡は不要」と言われたら、その時点でやめます。宅建業法施行規則 16 条の 12 は、契約しない意思を示した相手への勧誘の継続を禁じています。返事がない場合は、決めた回数を送ったところで最後の 1 通を送り、区切りをつけます。
新着物件のお知らせを送るのに、お客様の同意は必要ですか?
新着物件の案内は広告・宣伝のメールにあたると考えられるため、特定電子メール法により原則として事前の同意が必要です。同意を得た記録を残し、メールには送信者の情報と受信拒否の方法を表示します。判断に迷う場合は、ガイドラインを確認のうえ弁護士に相談してください。
「ほかにも検討中の方がいます」と伝えてもよいですか?
事実であれば、事実の範囲で伝えることはできます。ただし、事実でない内容で決断を急がせてはいけません。宅建業法 47 条は、重要な事項について事実でないことを告げることを禁じています。RSC の調査でも「契約の意思決定を急かされた」は不満の上位に入っていました。
メールと LINE は、どう使い分ければよいですか?
物件の詳細や資料、条件の整理はメール、短い確認や新着の一報、日程の調整は LINE が向いています。どちらで連絡を受けたいかを、最初のやり取りでお客様に聞いておくのが確実です。
まとめ
追客は、回数を重ねることではなく、お客様にとって意味のある連絡を、ちょうどよい間隔で届けることです。最初の 2 週間は短い間隔で、その後は新着物件が出たときなどに絞る。新着の案内は同意を得てから送り、断られたらすぐに止める。この記事の例文を社内のテンプレートにして、送る順番と間隔を決めておけば、担当者が忙しい時期でも追客が途切れません。