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原状回復の負担割合と退去精算書
入居日・退去日と補修する箇所を入れると、国土交通省のガイドラインの経過年数(クロス・カーペットは 6 年で残存価値 1 円)と負担区分で、借主と貸主の負担を計算します。敷金からの精算まで、ガイドライン別表 4 の形の精算明細を印刷・PDF で保存できます。
最終確認:2026/10/17・国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」・参考資料(令和5年3月)
構造と築年月は、フローリングの全面張替え・ユニットバスなど、建物の耐用年数で考える部位に使います。
- 工事費の合計
- 110,800円
- 貸主の負担
- 50,400円
- 敷金
- 150,000円
- 返還する敷金
- 89,600円
工事費 28,800円経過 5年6か月/耐用 6年借主 8.3%・2,400円貸主 26,400円
※ ㎡単位が望ましいが、毀損箇所を含む一面分までは借主の負担としてやむを得ない
工事費 40,000円経過年数は考慮しない借主 100.0%・40,000円貸主 0円
※ 通常の清掃(ゴミの撤去・掃き掃除・拭き掃除・水回り・換気扇やレンジ回りの油汚れ)をしていない場合だけ借主の負担
工事費 18,000円経過年数は考慮しない借主 100.0%・18,000円貸主 0円
※ 部分補修は経過年数を考慮しない
工事費 24,000円経過 5年6か月/耐用 6年借主 0.0%・0円貸主 24,000円
※ 国土交通省「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」の考え方で計算した参考値です。原因の例は、ガイドラインの表で「…場合が多い」とされている一般的な例で、実際の負担は契約書の特約・損耗の状況・当事者の話し合いで決まります。経過年数は月で数え、円未満は切り捨てています。
原状回復は「借りた時の状態に戻す」ことではない
民法 621 条(2020 年 4 月施行)は、借主は退去のときに損傷を元に戻す義務を負うが、通常の使用による損耗と経年変化は除くと定めています。ガイドラインはこれを、借主の故意・過失、善管注意義務違反、通常の使用を超える使い方で生じた損耗を元に戻すこと、と整理しています。日焼けによる変色や家具の設置跡のような、普通に住んでいて生じるものは家賃に含まれていると考え、貸主の負担です。
| 区分 | 意味 | 負担 |
|---|---|---|
| A | 通常の使用で生じるもの(家具の設置跡、日照による変色、画鋲の穴など) | 貸主 |
| A(+G) | 次の入居者のためのグレードアップ(破損のない畳の表替え、全体のハウスクリーニングなど) | 貸主 |
| A(+B) | 通常の使用でも生じるが、手入れ不足で発生・拡大したもの(結露を放置したカビなど) | 借主 |
| B | 使い方しだいで生じるもの(引越しのキズ、タバコのヤニ、ペットのキズなど) | 借主 |
※ ガイドラインの表は「…場合が多いと考えられる」一般的な例です。実際の判断は損耗の状況と契約によります。
経過年数:6 年で残存価値 1 円
借主が負担すべき損耗でも、クロスやカーペットは年数とともに価値が下がるので、借主が払うのは残っている価値の分だけです。ガイドラインは減価償却の考え方で、カーペットなら 6 年で残存価値 1 円となる直線で減らします(平成 23 年の再改訂で、残存価値 10% から 1 円に変わりました)。国交省の参考資料は月で数えています。
| 例(国交省 参考資料) | 借主の負担割合 |
|---|---|
| クロス、入居 4 年 8 か月 | 1 − 56/72 ≒ 22% |
| クロス 20㎡ × 1,200 円、入居 4 年 | 1 − 4/6 ≒ 33.3% → 8,000 円 |
| フローリング全面(木造 22 年)、築 10 年で入居し 4 年 | 1 − 14/22 → 195,000 円のうち 70,909 円 |
| 耐用年数を過ぎたクロス | 1 円 |
| 部位 | 経過年数の扱い | 借主の負担の単位 |
|---|---|---|
| 壁・天井クロス | 6 年 | ㎡単位が望ましい。毀損箇所を含む一面分まではやむを得ない |
| カーペット・クッションフロア・畳床 | 6 年 | 毀損が複数箇所なら居室全体 |
| フローリング(部分補修) | 考慮しない | ㎡単位 |
| フローリング(全面張替え) | 建物の耐用年数(木造 22 年・RC 47 年など) | 毀損が全体に及ぶ場合 |
| 畳表・襖紙・障子紙 | 考慮しない(消耗品) | 1 枚単位 |
| 流し台 | 5 年 | 補修部分・交換相当費用 |
| エアコン・冷蔵庫・ガス機器・インターホン | 6 年 | 補修部分・交換相当費用 |
| 便器・洗面台などの給排水設備 | 15 年 | 補修部分・交換相当費用 |
| ユニットバス・浴槽・下駄箱 | 建物の耐用年数 | 補修部分・交換相当費用 |
| 鍵(紛失) | 考慮しない | シリンダーの交換 |
| クリーニング | 考慮しない | 通常の清掃をしていない場合だけ、部位ごとか住戸全体 |
敷金の精算
民法 622 条の 2 は、賃貸借が終わって物件が返されたとき、貸主は敷金から未払いの賃料などの債務を差し引いた残りを返さなければならないと定めています。原状回復の費用を差し引く場合は、ガイドラインの別表 4 のような精算明細で、箇所ごとの工事費・経過年数・負担割合を示すと、借主にも根拠がわかります。このツールの印刷は、別表 4 の列(対象箇所・修繕等の内容・単価・単位・量・金額・経過年数・貸主と借主の割合と金額)に、敷金の精算を加えた形です。
東京ルールと特約
- 東京ルール:東京都内の居住用の賃貸住宅を宅建業者が仲介・代理するときは、退去時の原状回復と入居中の修繕の原則、この契約で借主が負担する内容(特約の有無)、修繕の連絡先を、重要事項説明の際に書面で説明します(東京における住宅の賃貸借に係る紛争の防止に関する条例)。
- 特約:通常の損耗を借主の負担とする特約は、範囲が契約書に具体的に書かれ、借主が明確に認識して合意している場合などに限って有効とされています(最高裁 平成 17 年 12 月 16 日)。消費者契約法で無効になることもあります。
よくある質問
クロスを 6 年以上使っていたら、借主の負担は 0 ですか?
経過年数による減価で、借主が負担するのは残存価値の 1 円(ほぼ 0)になります。ただしガイドラインは、耐用年数を過ぎた設備でも、借主が故意に付けた落書きを消す費用(工事費や人件費など)は借主の負担になることがあるとしています。
入居の前からクロスが古かった場合は?
ガイドラインは、入居時に新品でない場合はグラフを下にずらして使うとしています。国交省の参考資料は、入居時に 3 年経っていたクロスなら退去時の経過年数に 3 年を足す方法と、残りの割合(例えば 80%)を契約時に決めておく方法を示しています。このツールの「入居時の状態」で選べます。
壁の一部を汚したら、部屋全体のクロスを張り替える費用を払うのですか?
ガイドラインでは、クロスは㎡単位が望ましく、汚した箇所を含む一面分までは借主の負担としてもやむを得ないとしています。部屋全体の張替えが借主の負担になるのは、タバコのヤニなどで部屋全体が変色したり臭いが付いたりした場合です。色や柄を合わせるための張替えは借主の負担にしません。
ハウスクリーニング代は借主が払うものですか?
ガイドラインでは、借主が通常の清掃(ゴミの撤去・掃き掃除・拭き掃除・水回りや換気扇の油汚れの掃除)をしていれば、次の入居者のための全体のクリーニングは貸主の負担です。ただし、契約書にクリーニング費用を借主が払う特約があり、その範囲や金額が具体的に書かれ、借主が合意している場合は、特約が有効とされることがあります。
特約があれば、通常の損耗も借主に払ってもらえますか?
最高裁(平成 17 年 12 月 16 日)は、通常の損耗の補修費を借主に負担させるには、その範囲が契約書に具体的に書かれているか、口頭で説明して借主が明確に認識し、合意していることが必要としました。ガイドラインは、特約が有効になる要件として、必要性・合理性があり暴利的でないこと、借主が通常の義務を超える負担だと認識していること、負担する意思表示をしていることを挙げています。
入力した物件名・氏名は保存されますか?
保存も送信もしません。入力はこの画面の中だけで、ページを閉じると消えます。印刷・PDF と CSV で手元に残してください。
出典・参考
- 原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)(国土交通省)
- 同 ガイドライン本文 PDF(別表 1・2・4)
- 「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」に関する参考資料(国土交通省、令和 5 年 3 月)
- 賃貸住宅トラブル防止ガイドライン(東京都住宅政策本部)
- 民法(第 621 条 原状回復義務・第 622 条の 2 敷金)(e-Gov 法令検索)
- 賃貸借契約に関する民法のルールが変わります(法務省)
- 減価償却資産の耐用年数等に関する省令 別表第一(e-Gov 法令検索)
- 最高裁 平成 17 年 12 月 16 日 第二小法廷判決(裁判所)