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消費税の4 つの計算を比べる
売上と仕入れを入れると、本則課税・簡易課税・2割特例・3割特例の 4 通りで納める消費税を計算して並べます。その期間に使えない方法は理由を表示し、申告と届出の期限も出します。2026 年 9 月の 2割特例の終わりと、令和 8 年度改正(3割特例、免税事業者からの仕入れの 70% 控除)に対応しています。
最終確認:2026/10/17・令和 8 年度税制改正(令和 8 年法律第 12 号)、国税庁の記載例で検算
- 本則課税(一般課税)
- 571,600円
- 簡易課税
- 363,500円
- 2割特例
- この期間・条件では使えません
- 3割特例
- 218,000円
| 本則課税 | 簡易課税 | 2割特例 | 3割特例 | |
|---|---|---|---|---|
| 売上の税額 | 567,216 | 567,216 | — | 567,216 |
| 控除 | 121,253 | 283,608 | — | 397,051 |
| 国税 | 445,900 | 283,600 | — | 170,100 |
| 地方 | 125,700 | 79,900 | — | 47,900 |
- 本則課税(一般課税)免税事業者などからの仕入れは 70% を控除(経過措置、期間の日数で按分)
- 簡易課税みなし仕入率 50%
- 2割特例2026 年 9 月 30 日を含む課税期間までで終わりました
- 3割特例売上の消費税額の 70% を控除
- 申告・納付の期限2028/3/31(金)
- この期間に簡易課税を使う届出の期限2026/12/31(木)
- 前の期間に 2割特例・3割特例を使い、この期間から簡易課税にする場合2028/3/31(金)
- 次の期間から簡易課税にする届出の期限2027/12/31(金)
- この期間に 2割特例・3割特例を使い、次の期間から簡易課税にする場合2029/4/2(月)
- インボイスの登録をやめて次の期間から免税事業者に戻る届出2027/12/17(金)
※ 売上・仕入れとも割戻し計算。売上の返還・貸倒れ、課税売上割合 95% 未満、免税事業者などからの仕入れの年 1 億円の上限、少額特例は入れていません。届出の期限は休日でも延びません(申告・納付の期限は延ばして表示)。どの方法を使うかは、個別の事情を含めて税務署・顧問税理士に確かめてください。
消費税の計算比較(2割特例・3割特例・簡易課税)(Bookmi 無料の計算ツール)https://bookmi.ai/tools/shohizei-hikaku
4 つの計算のしかた
| 方法 | 納める消費税(国税分) | 使える人・期間 |
|---|---|---|
| 本則課税(一般課税) | 売上の消費税額 − 仕入れ・経費の消費税額 | すべての課税事業者 |
| 簡易課税 | 売上の消費税額 −(売上の消費税額 × みなし仕入率) | 基準期間の課税売上高 5,000 万円以下で、事前に届出をした事業者 |
| 2割特例 | 売上の消費税額 × 20% | インボイスの登録で課税事業者になった事業者。2026 年 9 月 30 日を含む課税期間まで |
| 3割特例 | 売上の消費税額 × 30% | 同じ条件の個人事業者だけ。2027 年分・2028 年分 |
どの方法も、国税の差引税額は百円未満を切り捨て、地方消費税はその 22/78(百円未満切り捨て)です。売上の消費税額は、税込の売上 × 100/110(軽減税率は 100/108)の千円未満を切り捨てた課税標準額 × 7.8%(6.24%)で計算します。
簡易課税のみなし仕入率
| 区分 | 主な事業 | みなし仕入率 |
|---|---|---|
| 第1種 | 卸売業 | 90% |
| 第2種 | 小売業、農林漁業のうち飲食料品の譲渡 | 80% |
| 第3種 | 農林漁業(飲食料品以外)、鉱業、建設業、製造業、電気・ガス・水道業 | 70% |
| 第4種 | 飲食店業、ほかの区分に当たらない事業 | 60% |
| 第5種 | 運輸通信業、金融・保険業、サービス業 | 50% |
| 第6種 | 不動産業 | 40% |
2 種類以上の事業をしている場合は、区分ごとの消費税額でみなし仕入率を加重平均します。1 つの事業の売上が全体の 75% 以上なら、その率を全体に使えます(75% ルール)。3 種類以上で 2 つの事業の合計が 75% 以上の場合の特例もあります。このツールはこれらを全部計算し、控除が一番大きくなる計算を使っています(どれを使うかは事業者が選べます)。事業を区分していない売上は、その中で一番低い率になります。
2割特例の終わりと、3割特例
- 2割特例は、2023 年 10 月 1 日から 2026 年 9 月 30 日までの日を含む課税期間で終わりです。個人は 2026 年分(2027 年 3 月 31 日が申告期限)が最後です。
- 3割特例は、令和 8 年度改正でできた個人事業者だけの経過措置で、2027 年分・2028 年分に使えます。2割特例を使ったことがなくても使えます。基準期間の課税売上高が 1,000 万円を超える年などは使えません。
- 法人は 3割特例を使えないため、2割特例が終わった後は本則課税か簡易課税です。
免税事業者からの仕入れ:80% から 70% へ
| 仕入れの日 | 控除できる割合 |
|---|---|
| 2023/10/1〜2026/9/30 | 80% |
| 2026/10/1〜2028/9/30 | 70% |
| 2028/10/1〜2030/9/30 | 50% |
| 2030/10/1〜2031/9/30 | 30% |
| 2031/10/1〜 | 0% |
本則課税で、インボイスのない仕入れ(免税事業者などから)の消費税相当額のうち控除できる割合です。2026 年 10 月 1 日以後に始まる課税期間からは、1 つの仕入先からの仕入れが年 1 億円(税込)を超える部分には使えません。取引先が登録しているかは、インボイス登録番号の一括チェックで確かめられます。
届出の期限
- 簡易課税制度選択届出書:使いたい課税期間の初日の前日まで(個人は前の年の 12 月 31 日)。一度選ぶと 2 年間は本則課税に戻せません。
- 特例の翌期から簡易課税:2割特例・3割特例を使った課税期間の翌期から簡易課税にする場合は、その翌期の申告期限まで。
- インボイスの登録をやめる:登録の取消届出書を、翌課税期間の初日から数えて 15 日前の日まで(個人は 12 月 17 日)。
※ 届出の期限は、土日・祝日でも延びません。
よくある質問
2割特例はいつまで使えますか?
2023 年 10 月 1 日から 2026 年 9 月 30 日までの日を含む課税期間です。個人事業者は 2026 年分(令和 8 年分)まで、12 月決算の法人は 2026 年 12 月期まで、3 月決算の法人は 2027 年 3 月期までです。
3割特例とは何ですか?
令和 8 年度の税制改正でできた、個人事業者だけの経過措置です。インボイスの登録で課税事業者になった個人が、2027 年分(令和 9 年分)と 2028 年分(令和 10 年分)に、売上の消費税額の 70% を控除できます(納める消費税は売上の消費税額の 3 割)。法人は使えません。
2割特例・3割特例を使うのに届出はいりますか?
いりません。申告書に特例を使う旨を書けば使えます。簡易課税制度選択届出書を出している場合でも、申告のときにどちらかを選べます。
2割特例が終わったら簡易課税にしたいのですが、届出はいつまでですか?
原則は、簡易課税を使いたい課税期間の初日の前日までです。ただし 2割特例・3割特例を使った課税期間の翌期から簡易課税にする場合は、その翌期の申告期限まで出せます(翌期の末日が 2026 年 10 月 1 日以後の場合)。例えば 12 月決算の法人が 2026 年 12 月期に 2割特例を使い、2027 年 12 月期から簡易課税にするなら、2028 年 2 月 29 日までです。
免税事業者からの仕入れは、いくら控除できますか?
インボイスのない仕入れは本則課税では原則控除できませんが、経過措置で、2026 年 9 月 30 日までは仕入れの消費税相当額の 80%、2026 年 10 月 1 日から 2028 年 9 月 30 日までは 70%、2030 年 9 月 30 日までは 50%、2031 年 9 月 30 日までは 30% を控除できます。割合は仕入れの日で決まります。このツールは、期間の中で均等に仕入れたとして日数で按分しています。
飲食料品の消費税が 1% になると聞きました。
2027 年 4 月 1 日から 2029 年 3 月 31 日まで、飲食料品の税率を 1% にする法案が国会に出ています(2026 年 10 月時点で未成立)。このツールは現行の 8% で計算しています。成立したら計算を直します。
出典・参考
- 2割特例(小規模事業者に係る税額控除に関する経過措置)(国税庁)
- インボイス制度の見直し(令和 8 年度改正)(国税庁)
- インボイス Q&A 問 115-2(3割特例)(国税庁)
- インボイス Q&A 問 117-3(特例の翌期の簡易課税の届出)(国税庁)
- インボイス Q&A 問 113(免税事業者等からの仕入れの経過措置)(国税庁)
- No.6505 簡易課税制度(国税庁)
- No.6351 消費税の計算方法(国税庁)
- No.6629 消費税の届出書の提出期限(国税庁)
- 令和 8 年度 税制改正の解説(財務省)
- 飲食料品の税率の引下げ(法案)について(国税庁)