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パートの社会保険と年収の壁
2026 年 10 月 1 日に、パート・アルバイトが社会保険に入る要件から月 8.8 万円(いわゆる 106 万円の壁)がなくなりました。会社の人数・時給・週の所定労働時間を入れると、いま社会保険と雇用保険に入るか、会社の規模の要件が広がる 2027 年以降にどう変わるか、家族の扶養(130 万円)と所得税 178 万円・住民税の壁、それぞれ週何時間まで働けるかを計算します。
最終確認:2026/10/29・日本年金機構・厚生労働省(2026年10月1日施行の改正)、国税庁「源泉所得税の改正のあらまし」(令和8年4月)
- 雇用保険
- 加入する
- 家族の扶養
- 入れる見込み
- 契約の年収(扶養の判定)
- 1,248,000円
- 給与の年収(税)
- 1,248,000円
- 月の所定内賃金
- 104,000円
- 厚生年金の被保険者が 50 人以下なので、まだ対象の事業所ではありません(労使の合意で任意に加入することはできます)。
- 2029/10/1(月) から加入。週 20 時間以上・2 か月を超える見込み・学生でない、の 3 つにあてはまり、厚生年金の被保険者が 20 人を超える事業所なので加入します。賃金の額(月 8.8 万円)の要件は 2026 年 10 月 1 日になくなりました。
- 週 20 時間以上・31 日以上の見込みなので加入します。
- 契約の賃金で見込む年収 1,248,000円 が 130万円未満なので、扶養のままでいられる見込みです(同居なら扶養する人の収入の半分未満であることも必要)。
| 住民税(所得割)以下なら所得割がかからない(令和9年度=2026年の収入。均等割の線は市区町村で違う) | 119万円以下週 19 時間まで |
|---|---|
| 健康保険の扶養未満なら扶養に入れる(通勤手当・賞与を含む契約の年収)。勤め先の社会保険に入ると、金額に関係なく外れる | 130万円未満週 20.8 時間まで |
| 配偶者控除(扶養する人の税)以下なら配偶者控除。超えても 169 万円までは配偶者特別控除が満額(38 万円) | 136万円以下週 21.7 時間まで |
| 配偶者特別控除の満額以下なら満額。超えると段階的に減り、207 万円以上で 0(扶養する人の合計所得 900 万円以下のとき) | 169万円以下週 27 時間まで |
| 所得税以下なら所得税がかからない(2026・2027年分、給与だけで社会保険料の控除前) | 178万円以下週 28.5 時間まで |
色の付いた行が、いまの見込みで収まっている壁です。週の時間は、賞与・通勤手当を除いた残りを時給で割った目安で、社会保険の「週 20 時間」とは別に見てください。
パートの社会保険・年収の壁チェック(2026年10月改正)(bookmi 無料の計算ツール)https://bookmi.ai/tools/shaho-kabe
2026 年 10 月からの加入の要件
| 要件 | 2026 年 9 月まで | 2026 年 10 月から |
|---|---|---|
| 賃金 | 所定内賃金が月 8.8 万円以上 | 撤廃(特定減額特例対象者を除く) |
| 労働時間 | 週の所定労働時間が 20 時間以上 | 同じ |
| 雇用の見込み | 2 か月を超える | 同じ |
| 学生 | 学生でない(定時制・通信制・休学中などは対象) | 同じ |
| 勤め先 | 厚生年金の被保険者が 50 人を超える(または労使合意) | 同じ(2027 年 10 月から段階的に拡大) |
※ 週の所定労働時間と月の所定労働日数がどちらも正社員の 4 分の 3 以上なら、勤め先の規模に関係なく加入します(学生も)。
会社の規模の要件が広がる時期
| 時期 | 対象の事業所(厚生年金の被保険者数) |
|---|---|
| いま〜2027 年 9 月 | 50 人を超える(51 人以上) |
| 2027 年 10 月から | 35 人を超える(36 人以上) |
| 2029 年 10 月から | 20 人を超える(21 人以上) |
| 2032 年 10 月から | 10 人を超える(11 人以上) |
| 2035 年 10 月から | 人数の要件なし |
※ 個人事業は、常時 5 人以上で法定の業種なら適用事業所です。飲食・宿泊・美容などのサービス業は、2029 年 10 月から 5 人以上なら対象になりますが、その時点で既にある事業所は当分の間除かれます。
2026 年の収入の「壁」
| 壁 | 金額 | 何が変わるか |
|---|---|---|
| 社会保険 | 週 20 時間 | 対象の勤め先なら、賃金の額に関係なく加入 |
| 住民税(所得割) | 119 万円 | 超えると所得割がかかる(令和 9 年度。均等割の線は市区町村で違う) |
| 家族の扶養 | 130 万円 | 以上になると扶養から外れる(60 歳以上・障害者 180 万円、19〜22 歳 150 万円) |
| 配偶者控除 | 136 万円 | 超えると配偶者特別控除に(169 万円までは満額 38 万円、207 万円で 0) |
| 特定親族特別控除 | 159 万円 | 19〜22 歳の子。超えると親の控除が段階的に減り、197 万円を超えると 0 |
| 所得税 | 178 万円 | 超えると本人に所得税がかかる(2026・2027 年分。2028 年分からは法律上 168 万円) |
- 扶養は契約の賃金で判定:2026 年 4 月から、労働契約で決まった時給・時間・手当・賞与で年収を見込みます。契約にない残業で一時的に超えても、社会通念上妥当な範囲なら扶養のままです。
- 一時的な増収:繁忙期などで一時的に 130 万円以上になっても、事業主の証明があれば扶養のままでいられます(原則として連続 2 回まで)。
よくある質問
106 万円の壁はなくなったのですか?
はい。パート・アルバイトが社会保険に入る要件のうち、所定内賃金が月 8.8 万円以上という賃金の要件は、2026 年 10 月 1 日に撤廃されました(令和 8 年政令第 275 号)。いまは、週の所定労働時間が 20 時間以上・2 か月を超えて雇う見込み・学生でない、の 3 つにあてはまり、勤め先が対象の事業所なら、賃金の額に関係なく加入します。最低賃金の減額特例の許可を受けて月 8.8 万円未満の人は、原則として加入しません。
うちの会社は何人から対象ですか?
厚生年金の被保険者数(パートなど短時間労働者を除く)が 50 人を超える事業所が対象です。法人は同じ法人番号のすべての事業所を合計し、1 年のうち 6 か月以上超える見込みで判断します。2027 年 10 月から 35 人超、2029 年 10 月から 20 人超、2032 年 10 月から 10 人超に広がり、2035 年 10 月に人数の要件はなくなります。人数が少なくても、労使で合意して申し出れば加入できます。
130 万円の壁は変わりましたか?
家族の健康保険の扶養に入れるのは、年収 130 万円未満(60 歳以上と障害者は 180 万円未満)の人です。2025 年 10 月から、19 歳以上 23 歳未満(配偶者を除く)は 150 万円未満になりました。2026 年 4 月からは、労働契約で決まった賃金(諸手当・賞与を含み、契約にない残業代は含めない)で年収を見込んで判定します。勤め先の社会保険に入る人は、年収が 130 万円未満でも扶養から外れます。
所得税は年収いくらからかかりますか?
2026 年分と 2027 年分は、給与だけなら年収 178 万円まで所得税がかかりません(基礎控除 104 万円+給与所得控除の最低 74 万円)。2025 年分は 160 万円でした。住民税の所得割は、2026 年の収入(令和 9 年度)なら 119 万円までかかりません。均等割がかかり始める金額は市区町村によって違います。
雇用保険はどうなりますか?
いまは週 20 時間以上で、31 日以上雇う見込みがあれば加入します(昼間の学生を除く)。2028 年 10 月 1 日からは、週 10 時間以上に広がります(令和 6 年法律第 26 号)。
社会保険料の負担を軽くする制度はありますか?
2026 年 10 月から、保険料調整制度が始まりました。新たに対象になった事業所で、標準報酬月額 12.6 万円以下の短時間労働者について、会社が保険料を多めに負担して本人の負担を 3 年間軽くできます(本人負担は 25〜48%)。2026 年 10 月 1 日にすでに対象だった事業所は使えません。
出典・参考
- 2026 年 10 月 1 日から短時間労働者に係る賃金要件の撤廃と最低賃金の減額特例の対象者に関する制度が始まります(日本年金機構)
- 関係政令の整備に関する政令等の公布について(保発 0911 第 6 号、令和 8 年 9 月 11 日)(厚生労働省)
- 短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大(日本年金機構)
- 社会保険適用拡大特設サイト(厚生労働省)
- 保険料調整制度とは(日本年金機構)
- 家族を被扶養者にするとき(日本年金機構)
- 労働契約内容による年間収入が基準額未満である場合の被扶養者の認定(厚生労働省通知)
- 19 歳以上 23 歳未満の被扶養者に係る認定に関する Q&A(厚生労働省)
- 源泉所得税の改正のあらまし(令和 8 年 4 月)(国税庁)
- 地方税法等の一部を改正する法律の概要(総務省)
- 雇用保険法等の一部を改正する法律(令和 6 年法律第 26 号)の概要(厚生労働省)